2007年8月10日 (金)

レミーのおいしいレストラン

米映画(アニメーション)

監督:ブラッド・バード

出演(声):パットン・オズワルト ルー・ロマーノ ジャニーン・ガラファロ イアン・ホルム ピーター・オトゥール

単純に面白い。ていうか、すごく面白かった。

オモチャ、虫、モンスター、魚、車といったものを主人公にフルCGアニメを作ってきたピクサーが、身近にいる動物でマンガになりやすいだけにあえてしてこなかったとも思える「ネズミ」を主人公にし、それを活き活きと動かして、印象的な物語を作り上げた。

ピクサーは次々と斬新な映像と心温まるストーリーが詰まった作品を作り続けてきたけど、正直なんとなく微妙に飽きてきた感があったけど、今度の作品は新鮮な驚きと感動があった。身近な動物であるネズミのしなやかでなめらかな動きと、ピクサーアニメとしては初めてキチンと普通の人間を主要キャラにして動かしていることがとても新鮮だった。

「Mr.インクレディブル」も人間だったけど、かなりデフォルメされたスーパーヒーローたちで、文字通り人間離れした人たちばかりだったので、今回の普通の人たちの動きや仕草、表情にちょっとした驚きと新鮮さがあってよかった。最近のCGアニメはモーションキャプチャーという、人間の動きをコンピューターに取り込んで映像化する技術が多様されていて、変なリアルさに逆になんか機械的な印象を感じてしまっていたけど、この作品ではそれを一切使わず、登場人物の動きを創造していて、それがコミカルで温かく、とてもしっくり来た。

そして料理の描写、パリの街並み、建物の繊細で緻密な描き方がとてもよく、物語やキャラたちをガッチリ支えている。

厨房の中で大冒険するネズミの姿は、昔の「トムとジェリー」を彷彿とさせる懐かしさを感じさせながらも、メチャメチャスピーディーで飽きることをさせない。ピクサーの前作「カーズ」もそこそこ面白かったものの、正直クルマの単調な動きには、後半ちょっと飽きちゃうところもあったけど、今回は動きで魅せながらストーリーをグイグイ推し進めていく。

お話は、フランスの田舎で群れといっしょに暮らしているネズミのレミーは、人間の言葉や文字を理解し、中でも特異な嗅覚と味覚により料理にメチャメチャ興味を持ち、人間の天才料理人グストーを尊敬し、彼が書いたレシピ本も熟読している。ある日、レミーの行動が基で、人間に見つかり、群れはそこを脱出する。逃走中、群れと離れたレミーはパリの街に辿りつき、グストーが経営していたレストランの厨房にたどり着く。そこで料理が全く苦手の若者リングイニと出会い、2人が手を組み、料理の世界で注目されていく…というもので、予告編通りの内容を説明するとなんか安っぽい感じがするけど、これがネズミや人間それぞれのキャラがキッチリ描かれていて、ストーリーの流れやセリフもしっかりしていて、シンプルだけど、キッチリ完成されたいい映画でした。

監督のブラッド・バードはピクサーでは「Mr.インクレディブル」に次ぐ監督作品だけど、今回のが格段によく、量産されるアメリカ性のCGアニメとは比べようもなくよく、ピクサー作品の中でも相当高いところにランキングするんじゃないかと…

と、いうより今年の夏の大作の中でもこれが一番よかったかも。

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2007年8月 7日 (火)

魔笛

英映画

監督:ケネス・ブラナー

出演:ジョセフ・カイザー エイミー・カーソン ベン・デイヴィス ルネ・パーペ リューホフ・ペトロヴァ

モーツァルトのオペラを数々のシェイクスピア作品を斬新に映像化してきた天才ケネス・ブラナーが現代のすごいオペラ歌手たちを使って、豪華なオペラ映画を作りあげた。もちろんオペラなんて見たことはないし(でもやっぱりモーツァルトだけあって使われてる曲のいくつかは聴いたことがあるもの)、出演者もぜんぜん知らない人だかりだけど、これが単純にオモシロい!そして、歌声というか、使われている曲の数々もモノスゴイ!

オリジナルのオペラは古代が舞台らしいけど、舞台を大胆に1910年代の第一次世界大戦下に変えてるんだけど、ブラナーは超大作「ハムレット」でも舞台を1900年代初頭に変えていて、そんなに違和感はないというか、メチャメチャあっていて、かえって壮大なスペクタクルになっている。同じくシェイクスピアの「恋の骨折り損」をミュージカル映画にしていたけど、ミュージカルどころか、まさにオペラ映画というべき内容は芸術性はモチロンのこと娯楽性においても相当高いレベルの作品になっている。

お話は、ある国の兵士タミーノは敵の毒ガスに襲われたところを3人の美女に助けられるが、この3人は女王の侍女で、敵国に捕えられている女王の娘の救出を依頼される(この時に魔法の笛を渡される)。タミーノはこの娘・パミーナの写真を見た途端、一目ぼれし、運命の女と信じ込み、途中で出会った小心者の若者・パパゲーノと一緒に敵国に潜入し、そこで暗黒卿・ザラストロと対決するけれど…

全編重厚な歌ばかりだけど、思ったよりもストーリーは分かりやすく、すぐに物語の中にググクっと惹き込まれていく。現代風にアレンジされているけれど、二百数十年前に作られたものとは信じられないぐらい、ラブストーリー、戦争、冒険もの、そして善と悪が交差する物語の奥深さやエンターテイメント性には驚かされた。更にその古典をアクション、CG、キレイなファッション、コメディで彩るケネス・ブラナーの演出はお見事としか言えず、2時間ちょっと、ドップリと贅沢な時間に浸ることができる。

それにしても、出てくる一流のオペラ歌手たちの歌は素人が聞いてもものすごくよく(特にザラストロ役のルネ・パーペと女王役のリューホフ・ペトロヴァという人がものすごい)、メチャメチャ貴重なモノを見ることができました。

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2007年8月 6日 (月)

オーシャンズ13

米映画

監督:スティーブン・ソダーバーグ

出演:ジョージ・クルーニー ブラッド・ピット アル・パチーノ マット・デイモン ドン・チードル エレン・バーキン アンディ・ガルシア

ジョージ・クルーニー扮するオーシャン率いる詐欺師というか泥棒なのか犯罪集団の活躍(?)を、豪華キャストで、しかも社会派で個性派のソダーバーグが純粋な娯楽作として軽~く描いた人気シリーズの第3弾。

ぶっちゃけ「12」はヨーロッパを舞台になんかゴチャゴチャした展開で、よく分からなかったというか、はっきりいって微妙な感じだったけれど、今回は舞台をラスベガスに戻してシンプルに描ききっている。

キャストはクルーニー、ブラピ、マット・デイモンといった超主役級のメンバー(あと、「ホテル・ルワンダ」のドン・チードルも)はそのままだけど、ジュリア・ロバーツ、キャサリン・ゼタ・ジョーンズといった女性陣は登場しない。女優2人はどちらもソダーバーグ映画でアカデミー賞を取っているだけに、ソダーバーグのお祭り映画というこの作品に出なくなっちゃったのはけっこうトーンダウン感は否めないけど(特にジュリア・ロバーツが出ないのは痛いけど、前作で「ジュリア・ロバーツ」に米が間違えられるという究極というか寒いギャグをやっちゃったので、これ以上やることがなくなってしまったのかも)、その分、超大物アル・ハチーノを悪役に据えて、男たちの戦いとして描かれる。

で、お話は仲間のひとりがホテル王のアル・パチーノに陥れられ、その復讐として彼が新たにオープンするカジノをターゲットに仕事をするというもので、トリックや狙うものの違いはあるけれど、筋書きは「11」とほとんど同じで、ターゲットがアンディ・ガルシアからアル・パチーノにグレードアップしたぐらいで、むしろジュリア・ロバーツとのロマンス(とそれに伴う作戦の不確定要素)みたいなものがなくなって、ホントにシンプルになっている。

アル・パチーノはさすがのシブさと貫禄だけど、ぶっちゃけ描き方が軽くてちょっともったいない感じ。でも「ゴッドファーザーPARTⅢ」での師弟コンビであるアンディ・ガルシアとのシーンや、「シー・オブ・ラブ」でロマンス(とサスペンス)を演じたエレン・バーキンとの競演とか、パチーノ好きとしては、けっこう楽しめる要素はありました。

あと、すっかり熟女になったけど、色気タップリのエレン・バーキンがマット・デイモンと絡むシーンはグダグダのエロエロさに思わず笑わされてしまった。

シンプルで軽妙に描くことに心がけているだとは思うけど、それぞれのキャラの描き方も含めもの足りなさは否めないのと、「11」とダブるストーリーに、「なんで作ったの?」みたいな疑問も湧き出てきちゃったけど、あんまり難しく考えずに気楽に見るのが一番で、次に期待しようと思っていたら、さすがもう作らないみたいで、そう考えると非常に残念な気も…

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2007年8月 5日 (日)

夕凪の街 桜の国

日本映画

監督:佐々部清

出演:田中麗奈 麻生久美子 堺正章 藤村志保 吉沢悠 伊藤充則 中越典子

原爆投下から13年経った昭和33年の広島で、原爆で家族を失い、自らも被爆した女性(麻生久美子)が苦しみながらも健気に生きる姿を描いた「夕凪(ゆうなぎ)の街」というパートと、現代、彼女の残された家族の姿をその一員である同年代の女性(田中麗奈)の視点で描いた「桜の国」というパートの2つのお話が交差しながら、原爆の影響を大なり小なり受けながら(というか相当な影響を受けながら)、支えあいいろんなことを抱え克服していく人たち(家族)を描いた映画。

同名のメチャメチャ評価の高いマンガ(読んだことないというか、この映画を見て買っちゃったけど)を、「半落ち」等でシブい映画を撮る佐々部清監督で映画化した作品だけど、ハデさや過度な演出もないけど、静かにジワジワくる映画でした。

特に昭和33年のパートの主人公・皆実(みなみ)を演じる麻生久美子は映画を中心に活動していながらも、主演は行定勲の初期の作品「贅沢な骨」や「eiko」ぐらいでインディー系の小さい作品だったので(でも「贅沢~」みてファンになったんだけど)、こういう話題作での主演にはけっこう期待していたけど、控えめだけど懸命に生きる女性を、静かな口調だけど、しっかりジワーっと印象づけらける。

その他、藤村志保、堺正章といった脇を固める人たちもいい味を出していて映画全体の雰囲気を作り出している。もう一人の主人公、現代を生きる七波(ななみ)役の田中麗奈はこういった人たちの中で、なんとなく浮いている印象を受けてしまったけれど、それは原爆を実体験として生きている人たちと、間接的にししか認識できていない映画を見ている人達のほとんどを代表するような存在として、彼女の目を通して映画というか原爆がもたらしたものを見せられるという構図になっているのかなと、見終わった後に感じさせられました。

原爆をテーマにしながらも、残酷なシーンなどはほとんど抑えながらも、銭湯でケロイドのある女性たちを写してみたり、時おりハッとさせられるシーンが挿入させらている。そして、皆実の言葉は、日本人だけでなく、世界の人、特にアメリカ人に聞かせたいぐらいで、この時期、しかも防衛大臣のあんな発言があった後でもあるし、いろいろと考えさせられる(けれども、難しくなく、静かに感動させられる)映画でした。

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2007年8月 4日 (土)

トランスフォーマー

米映画

監督:マイケル・ベイ

出演:シャイア・ラブーフ ミーガン・フォックス ジョシュ・デュアメル ジョン・ヴォイト ジョン・タトゥーロ

スピルバーグ製作総指揮で、「アルマゲドン」を始めとしたドハデなアクション映画ばっかり撮ってるマイケル・ベイが監督して、いろんな乗り物がロボットに変形する子供向けのオモチャやアニメとして80年代に流行っていた「トランスフォーマー」(たぶんオモチャは日本製で、アニメはアメリカ製?)を大マジメに映像化した超大作。

予告編は、子供向けのアニメが原作だってことを全く感じさせないようなハードで怖いSFみたいな雰囲気でロボットたちもチラチラしか見せていなかった(スピルバーグ映画ではよく使われる宣伝方法だけど)けれど、本編では正義の味方と悪いロボットたちがガンガン出まくって、戦いまくる。ロボットが善と悪の集団に分かれて戦うところとか、ロボットもコンボイ(映画で違う名前{多分アメリカ国内での名前}だったけど)とかアニメそのままのキャラだったり、アニメのデザインを相当残していたり、内容的にはアニメの設定や内容とほとんど同じになっている。(アニメをちゃんと見たことは一度もないけど、多分こんな感じなんだと思う)

でも、娯楽映画のプロたちが真面目に作ってるんで、ロボットたちもCGでメチャメチャリアルで迫力ある出来になっていて、アクションもすごい迫力になっている。そして、CGばっかりじゃなくで、マイケル・ベイ映画らしいカーチェイスとか実写のスピーディーなアクションもバランスよく楽しませてくれるし、ストーリー自体は単純というか、ほとんどマンガだけど、未知の敵に真剣に対処する軍人や政府の人達の話と、主人公の高校生のほとんどコメディの話がテンポよく、それにロボットたちのアクションが絡み合って、最後まで飽きないというか、けっこう関心させられながら見てしまいました。

その中でも、出てることを知らなかったジョン・タトゥーロが怪しい捜査官役で出てきた時が一番びっくりして、笑ってしまった。国防長官役のジョン・ヴォイトはこの手の映画によく出ているけど(マイケル・ベイの「パール・ハーバー」にも大統領役で出ていたし)、名優(怪優)ジョン・タトゥーロがこんな映画でキチンと演技をしているのも隠れた見所(私にとって)だった。

今年の娯楽大作は続編が多く、多少なりとも前作からのつながりとか思い出したりしながらみなければならなかったけど、そんな中で、どんな映画か見てみるまで分からなかった楽しみがあったし、見たら見たで想像以上にロボットたちが動きまくり(ちょっとゴチャゴチャしてたけど)、けっこう驚かせられ、面白かった。大の大人たちが真面目にこういうモノを作っているのも好感が持てました。(大人も楽しめるように作っているけど、ちゃんとロボットヒーローものの図式を守ってるところがよかった)

とにかく、多分この夏一番、なんも考えないで見られる映画じゃないかなと思います。

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2007年7月22日 (日)

ゴースト・ハウス

米映画

監督:ダニー・パン オキサイド・パン

出演:クリステン・スチュアート デイラン・マクダーモット ペネロープ・アン・ミラー

「the EYE」などで有名なタイのパン兄弟が、サム・ライミ プロデュースの下、ハリウッドで製作したホラー映画。パン兄弟のタイ時代の作品は見たことなかったけど、おどろおどろしいアジアのホラー監督をサム・ライミが「呪怨」の清水崇監督のように抜擢したっていうことで、なんか新しいものが見られるかとそれなりに期待して見に行ったんだけど…

ストーリーは、都会を離れて田舎に移り住んできた一家が、引っ越してきた古い家で怪奇現象に合い、その現象が見える娘が恐怖の日々に怯えるというもの。

これが、展開やら真相やらどっかで見たことあるようなもので、新鮮さのかけらもないベタベタの、典型的な安っぽいホラーになっていて、正直ガッカリでした。

主演の少女は「パニック・ルーム」でジョディ・フォスターの娘役を演じていたクリステン・スチュアートは恐怖に怯える様や家族の中で悩む姿はなかなかよかったし、母親役にはすっかりくたびれちゃった感は否めないけど、「レナードの朝」や「カリートの道」みたいな一線級の映画に出ていたペネローペ・アン・ミラーが出てるし、一家とともに暮らす男を「マイ・ビッグ・ファット・ウエディング」でヒロインの相手役だったジョン・コーベット演じているなど、この手のホラー映画にしたら、けっこう豪華なキャストなんだけど…正直この手の映画の中でも残念な仕上がりになっちゃってました(と感じちゃいました)。

とにかく、ヒロインがかわいかっただけに余計残念でした。

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腑抜けども、悲しみの愛を見せろ

日本映画

監督:吉田大八

出演:佐藤江梨子 佐津川愛美 永瀬正敏 永作博美

奇抜なタイトルが目を惹くサトエリ主演のホームドラマ。内心「題名よりも中身で勝負しろよ」と思いつつ見に行ったところ、なかなかタイトルに負けてないインパクトで、しっかりとコワ面白いブラックコメディ(それとほんのちょっとだけ考えさせられる)に仕上がってました。

サトエリ扮する主人公澄伽(すみか)は、超自己中心的な勘違い女で、才能もないのに女優になれると信じ込み上京するも、4年間芽が出ず、両親の事故死を機に久々に故郷のド田舎の村(石川県のどっか)に帰ってくる。そこには兄夫婦(永瀬正敏と永作博美)と高校生の妹が暮らしているけれど、澄伽によって引っかき回されることになる。

その中でも妹は姉にイジメられながらも、それに耐え抜き、その体験を恐怖マンガにしていまう、自虐的で冷静なキャラで、この姉妹2人を中心に恐怖映画さながらの、凄いストーリーが展開していく。

佐藤江梨子は超傲慢で人の迷惑を顧みない女に全身でなり切っていて、「キューティーハニー」といい、この映画といい、アクが強くて特異なキャラをやらせるとグッと引き立つ物を持っている。

そして映画の印象を決定づけているのが、いびられ役の妹を演じる佐津川愛美という若い女優で、けっこうカワいい顔をメガネで隠し、ひたすらイジメに耐え抜き反撃の機会を探る少女を可憐で不気味に演じていて、サトエリ以上にはまっている。

その他、妹に頭が上がらず、嫁にイバりまくる、でも意外に常識的なダメ兄貴を演じる永瀬正敏が作品全体を落ち着きをもたらしている他、なによりも永作博美がコインロッカーに捨てられ、孤児院で育ち、家族愛を求めるバカポジティブな嫁を怪演していて、主役姉妹以上のインパクトと感動すら覚えました。

救いとか教訓めいたものはほとんどないけれど、なかなか他にない痛快な映画でした。

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インランド・エンパイア

米映画

監督:デイヴィッド・リンチ

出演:ローラ・ダーン ジェレミー・アイアンズ ジャスティン・セロー ハリー・ディーン・スタントン

凄い、理解不能だけど、やっぱりリンチは凄い!特に今回は3時間ドップリとリンチワールドに浸りまくりで、もう脳がぐちゃぐちやになる感じだけど、他では味わえないこの感覚はやっぱりいい!

ストーリーは説明しきれないというか、理解しきれないというか、とにかくグチャグチャな話がリンチ流の衝撃的な場面転換なんかでコロコロと変化していく。前作の大傑作「マルホランド・ドライブ」はまだ自分なりにストーリーが解釈でき、楽しめたんだけど、今回はほとんどヒントすら与えられず、ドンドンストーリーが爆走していく。

お話のようなものを整理すると、ローラ・ダーン扮する女優が、ある映画への出演が決まり撮影に入る(監督はジェレミー・アイアンズ)んだけど、その映画の中の世界と現実がゴッチャになり、そこにウサギ人間やら、訳の分かんないポーランド人やらのシーンが入り乱れて、何が何のシーンが分かんないんだけど、リンチらしい不穏な映像がデジカメのザラついた映像と相まって、とにかく深~いところまで、引きずり込まれていく。

主演のローラ・ダーンは「ワイルド・アット・ハート」以来の出演で、ぶっちゃけ今さらど~なの?と思っていたけど、この不安定で不気味な映画にピッタリで、メチャメチャよかった。

シーンごとに自分なりの解釈がどんどん裏切られていくんだけど、それが快感になっていき、シーン毎に妙な感動も味わえる。ラストの大団円みたいな終わり方もなんか妙に納得。

たぶんあと5回見ても理解できないと思うけど、でもまた何回も見てしまうだろうと思う、やっぱりリンチの魔術はスゴイと再認識されられる、ホントにモノスゴイ映画でした。

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ファウンテン 永遠につづく愛

米映画

監督:ダーレン・アロノフスキー

出演:ヒュー・ジャックマン レイチエル・ワイズ エレン・バースティン

「π」「レクイエム・フォー・ドリーム」といった奇抜で意表を突く作品を作ってきたダーレン・アロノフスキーの新作。永遠の命と愛を巡る時空を超えたラブストーリー。

ヒュー・ジャックマンとレイチェル・ワイズの二人が過去・現在・未来に生きる男女を演じている。

中世スペイン、レイチェル・ワイズ扮する女王の命で、ヒュー・ジャックマン扮する騎士がマヤの奥地、ピラミッドの中に進入していく。そこには人類の命の基、「生命の木」があって…という話と、現代、脳腫瘍で余命短い妻(レイチェル・ワイズ)を救うために新薬の開発を続ける科学者(ヒュー・ジャックマン)の話と、たぶん未来、木が茂っている球体の中に男(ヒュー・ジャックマン)が一人だけいて、宇宙空間を漂っている話が交錯して描かれている。

永遠の命について描きながらも、永遠を求めて、愛する人を失うことをとことん拒絶する男と、死を自然なこととして受け入れる女性がとても対照的に描かれている。

ヒュー・ジャックマンと、「ナイロビの蜂」でアカデミー賞とったばかりのレイチェル・ワイズはこの不思議なラブストーリーを大人の演技で濃厚に演じている。特にヒュー・ジャックマンは「X-MEN」とか「ニューヨークの恋人」なんかよりもぜんぜんかっこよかった。あと、「レクイエム・フォー・ドリーム」にも出ていたエレン・バースティン(「エクソシスト」のお母さん)がいい味出している。

最初は「永遠の命」みたいなテーマなんで、「ハイランダー」みたいなのを想像してたけど、似てる部分もありながらも、全然違い、かなりしっとりとした大人の映画に仕上がっていて、そして最後にはもの凄い映像が展開されてビックリさせられる、ただの映画じありませんでした。

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ハリウッドランド

米映画

監督:アレン・コールター

出演:エイドリアン・ブロディ ベン・アフラック ダイアン・レイン ボブ・ホフキンス

「戦場のピアニスト」デアカデミー主演男優賞を受賞したものの、その風貌からかイマイチ役に恵まれてない感がするエイドリアン・ブロディが探偵役で、大作にバンバン主演してきたものの、盟友マット・デイモンと違いなんか印象が薄いベン・アフラックが殺されたハリウッドスターに扮した、ミステリー映画。

1950年代に米国で「スーパーマン」のTVドラマに主演し、子供たちに絶大な人気を誇っていた俳優ジョージ・リーブスが自宅で射殺死体として発見され、現場の状況から自殺と判断される。この実際の事件を基に、エイドリアン・ブロディ扮する探偵が謎の多いこの事件を他殺の線で探り、その裏にうごめくハリウッドの影の部分に迫っていくという内容。

エイドリアン・ブロディが捜査を進めるのと並行して、生前のジョージ・リーブス(ベン・アフラック)の姿を描き、売れない頃の彼がハリウッドの大物の妻(ダイアン・レイン)と関係を持ち、スーパーマン役に抜擢され人気が出るんだけど、逆にそのイメージが強すぎて他の役に恵まれず苦悩する姿が描かれる。

これを1950年代のファションや風俗の中でロマンチックに描き、ミステリーの部分では「L.A.コンフィデンシャル」風のハードボイルドタッチで描いている。

と、けっこう面白そうな感じがしたんだけど、はっきりいって微妙に中途半端な感が否めない。エイドリアン・ブロディのパートは家庭の話や他の事件の話なんかも絡みあってなかなかいい感じなんだけど、なんでこの事件に執着するのかがピンとこなかったし、ベン・アフラックのところは話が飛び飛びで、彼の苦悩やら、周囲との関係とかがなんとなく伝わってこず、正直ちょっと退屈…

ぶっちゃけ何を言いたいのか、よく分かんなかったというのが正直な感想でした。

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