レミーのおいしいレストラン
米映画(アニメーション)
監督:ブラッド・バード
出演(声):パットン・オズワルト ルー・ロマーノ ジャニーン・ガラファロ イアン・ホルム ピーター・オトゥール
単純に面白い。ていうか、すごく面白かった。
オモチャ、虫、モンスター、魚、車といったものを主人公にフルCGアニメを作ってきたピクサーが、身近にいる動物でマンガになりやすいだけにあえてしてこなかったとも思える「ネズミ」を主人公にし、それを活き活きと動かして、印象的な物語を作り上げた。
ピクサーは次々と斬新な映像と心温まるストーリーが詰まった作品を作り続けてきたけど、正直なんとなく微妙に飽きてきた感があったけど、今度の作品は新鮮な驚きと感動があった。身近な動物であるネズミのしなやかでなめらかな動きと、ピクサーアニメとしては初めてキチンと普通の人間を主要キャラにして動かしていることがとても新鮮だった。
「Mr.インクレディブル」も人間だったけど、かなりデフォルメされたスーパーヒーローたちで、文字通り人間離れした人たちばかりだったので、今回の普通の人たちの動きや仕草、表情にちょっとした驚きと新鮮さがあってよかった。最近のCGアニメはモーションキャプチャーという、人間の動きをコンピューターに取り込んで映像化する技術が多様されていて、変なリアルさに逆になんか機械的な印象を感じてしまっていたけど、この作品ではそれを一切使わず、登場人物の動きを創造していて、それがコミカルで温かく、とてもしっくり来た。
そして料理の描写、パリの街並み、建物の繊細で緻密な描き方がとてもよく、物語やキャラたちをガッチリ支えている。
厨房の中で大冒険するネズミの姿は、昔の「トムとジェリー」を彷彿とさせる懐かしさを感じさせながらも、メチャメチャスピーディーで飽きることをさせない。ピクサーの前作「カーズ」もそこそこ面白かったものの、正直クルマの単調な動きには、後半ちょっと飽きちゃうところもあったけど、今回は動きで魅せながらストーリーをグイグイ推し進めていく。
お話は、フランスの田舎で群れといっしょに暮らしているネズミのレミーは、人間の言葉や文字を理解し、中でも特異な嗅覚と味覚により料理にメチャメチャ興味を持ち、人間の天才料理人グストーを尊敬し、彼が書いたレシピ本も熟読している。ある日、レミーの行動が基で、人間に見つかり、群れはそこを脱出する。逃走中、群れと離れたレミーはパリの街に辿りつき、グストーが経営していたレストランの厨房にたどり着く。そこで料理が全く苦手の若者リングイニと出会い、2人が手を組み、料理の世界で注目されていく…というもので、予告編通りの内容を説明するとなんか安っぽい感じがするけど、これがネズミや人間それぞれのキャラがキッチリ描かれていて、ストーリーの流れやセリフもしっかりしていて、シンプルだけど、キッチリ完成されたいい映画でした。
監督のブラッド・バードはピクサーでは「Mr.インクレディブル」に次ぐ監督作品だけど、今回のが格段によく、量産されるアメリカ性のCGアニメとは比べようもなくよく、ピクサー作品の中でも相当高いところにランキングするんじゃないかと…
と、いうより今年の夏の大作の中でもこれが一番よかったかも。
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