となり町戦争
日本映画
監督:渡辺謙作
出演:江口洋介 原田知世 瑛太 岩松了 余貴美子
同名のベストセラー小説の映画化。
架空の日本の現代、とある地方の町がある日突然となりの町と戦争をすることになった。その町に住むサラリーマン(江口洋介)が訳の分からないまま、偵察員に任じられて、役場の戦争推進室の職員の女性(原田知世)と偽装結婚をし、となり町に偵察のために移り住む…といったお話。
最近の江口洋介はけっこういい味出していると思うし、原田知世に至ってはメチャメチャ大ファンなんだけど…この映画だけはダメだった。というより「最低の映画」だった。
渡辺謙作という監督は以前、永瀬正敏と宮崎あおい主演の「ラブドガン」という映画を撮った人で、その映画も相当不満足度が高かったんだけど、今回は割と有名な原作もあるし、キャストをみてもそうそう変なものにはならないと思っていたんだけど…
戦闘シーン等は一切排し、セリフだけで戦争が起こっている状況を伝え、その不条理な自状況に戸惑う主人公にジワジワ戦争の感覚を染み込ませていくというコンセプトはたぶん原作の通りなんだろうけど、全く伝わってこない。
町同士が戦争するというありえない状況を用意し、その状況に戸惑う主人公を、自分たちは戦争には無縁と考えている今の日本人に置き換え、もっと「戦争」というものを感じ、考えさせるという意図があるのだろうけど、肝心のその描き方が上っ面だけどうか。おちょくっているとしか思えない内容であり、戦争の犠牲者たちを完全に冒涜しているとしか思えない。
シュールな内容は別に悪いしは思わないし、シュールな表現によって難しい内容を婉曲的(ときには直接的)に表現したり、シュールな表現によって主要なテーマを隠しつつも徐々に明らかにしていく等いろんな手法があるんだろうけど、この監督は「ラブドガン」のときもそうだったけど、シュールに逃げているとしか思えない。
こんな映画だけど、江口洋介と原田知世の2人はそれぞれがんばって演じているのが分かる。特に原田知世は映画の矛盾を全部背負いながらもも独特の透明感は失わずにいるだけでも、見る価値は少しはありました。戦争という「業務」に従事せざるを得ないという女性の矛盾と、こんな映画に出てしまっているものの一生懸命やらなければならないという矛盾が入り混じって見えてしまったのは私だけでしょうが…
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