« 2007年1月 | トップページ | 2007年3月 »

2007年2月21日 (水)

となり町戦争

日本映画

監督:渡辺謙作

出演:江口洋介 原田知世 瑛太 岩松了 余貴美子

同名のベストセラー小説の映画化。

架空の日本の現代、とある地方の町がある日突然となりの町と戦争をすることになった。その町に住むサラリーマン(江口洋介)が訳の分からないまま、偵察員に任じられて、役場の戦争推進室の職員の女性(原田知世)と偽装結婚をし、となり町に偵察のために移り住む…といったお話。

最近の江口洋介はけっこういい味出していると思うし、原田知世に至ってはメチャメチャ大ファンなんだけど…この映画だけはダメだった。というより「最低の映画」だった。

渡辺謙作という監督は以前、永瀬正敏と宮崎あおい主演の「ラブドガン」という映画を撮った人で、その映画も相当不満足度が高かったんだけど、今回は割と有名な原作もあるし、キャストをみてもそうそう変なものにはならないと思っていたんだけど…

戦闘シーン等は一切排し、セリフだけで戦争が起こっている状況を伝え、その不条理な自状況に戸惑う主人公にジワジワ戦争の感覚を染み込ませていくというコンセプトはたぶん原作の通りなんだろうけど、全く伝わってこない。

町同士が戦争するというありえない状況を用意し、その状況に戸惑う主人公を、自分たちは戦争には無縁と考えている今の日本人に置き換え、もっと「戦争」というものを感じ、考えさせるという意図があるのだろうけど、肝心のその描き方が上っ面だけどうか。おちょくっているとしか思えない内容であり、戦争の犠牲者たちを完全に冒涜しているとしか思えない。

シュールな内容は別に悪いしは思わないし、シュールな表現によって難しい内容を婉曲的(ときには直接的)に表現したり、シュールな表現によって主要なテーマを隠しつつも徐々に明らかにしていく等いろんな手法があるんだろうけど、この監督は「ラブドガン」のときもそうだったけど、シュールに逃げているとしか思えない。

こんな映画だけど、江口洋介と原田知世の2人はそれぞれがんばって演じているのが分かる。特に原田知世は映画の矛盾を全部背負いながらもも独特の透明感は失わずにいるだけでも、見る価値は少しはありました。戦争という「業務」に従事せざるを得ないという女性の矛盾と、こんな映画に出てしまっているものの一生懸命やらなければならないという矛盾が入り混じって見えてしまったのは私だけでしょうが…

| | トラックバック (0)

2007年2月19日 (月)

あなたになら言える秘密のこと

スペイン映画

監督:イザベル・コイシェ

出演:サラ・ポーリー ティム・ロビンス ハビエル・カマラ ジュリー・クリスティ レオノール・ワトリング

感動作「死ぬまでにしたい10のこと」と同じく、スペイン映画界の奇才にして巨匠のペドロ・アルモドバルが製作総指揮をつとめ、イザベル・コイシェが監督した、スペインの資本・スタッフによる英語の映画で、前作でヒロインを演じたサラ・ポーリーもまた主人公を演じている。邦題の日本語が何か変な気もするけど、配給会社が「こと」シリーズにしたいのも分かる気が…

どっかの国(英語圏)の何かの工場で、無遅刻無欠勤で誰とも話さず黙々と働き、工場での昼食も帰ってからの夕食も全く同じものしか食べず(チキンと米とリンゴのみ)、孤独に生きている謎の多そうな主人公が、なかば強制的に1ヶ月の休暇を与えられ、とある街にやってくる。そこには海上に石油掘削の基地があり、その基地で起きた火災により重症を負った男性を世話する看護婦が必要とされ、看護婦経験もある彼女がその役を引き受け、その男性がいる基地に移り住むことにした。

火災で全身に火傷を負い、目も見えなくなった(一時的に)患者をティム・ロビンスが演じている。とんでもない秘密を抱え、硬く心を閉じている彼女と、明るく振舞いながらも心に深い傷をもった患者が次第に心を通わせ、秘密を打ち明けていく様子を、基地という閉鎖された空間で、他の少ない職員たち含めた淡々とした時間の流れの中で静かに、ジンワリと描いている。

前作やアトム・エゴヤン映画のような芸術的なのだけでなく、「ドーン・オブ・ザ・デッド」でさえキリッとした気品を漂わせていた若き名女優サラ・ポーリーの演技はここでもさすがで、クライマックスまで謎を引きずりながらもその表情や仕草に心を動かされてしまう。演技もいいど、この人のハリウッド女優にはない透明感はメチャメチャ貴重!(この人はカナダの人らしいです)

映画の大半をベッドの上で身動きできない役のティム・ロビンスもさすがの名演技で、壊れそうに繊細なサラ・ポーリーを動けないからだでしっかり包み込んでいる。

アルモドバルの大傑作「トーク・トゥ・ハー」の主人公だったハビエル・カマラや同じく「トーク・トゥ・ハー」の眠れるヒロインで「死ぬまでに~」にも出ていたレオノール・ワトリングとか、アルモドバル映画でも顔だった人達が要所で出ていて、いい味をだしてます。

主人公の秘密が凄すぎて、ある意味「ズルい」と感じなくもなかったけど、サラ・ポーリーとティム・ロビンスのふたりによって自然とリアルに感じさせられ、衝撃と感動を受けます。見る人はあんまりパンフとか見ないで見たほうが絶対いいです!

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2007年2月18日 (日)

Gガール 破壊的な彼女

米映画

監督:アイヴァン・ライトマン

出演:ユマ・サーマン ルーク・ウィルソン アンナ・ファリス エディ・イザード

「ゴースト・バスターズ」のアイヴァン・ライトマン監督によるヒーロー物のパロディ的なコメディ映画。

ルーク・ウィルソン(「ロイヤルテレンバウムス」とか「キューティ・ブロンド」とか)扮する平凡な男が地下鉄で声をかけて付き合うようになった女性(ユマ・サーマン)が実は「Gガール」という正義の味方(ほとんどスーパーマンみたいな感じ)だった。最初は良かったけれど、嫉妬深くて、エキセントリックな彼女に嫌気がさし、別れようとしたことろで、更に彼女は逆上し、スーパーパワーでいろいろ凄い嫌がらせを受けるようになり、悪玉一味まで出てきてどんどんドタバタしてくるみたいなお話。

設定は突飛だけど、ベテランのコメディ監督の演出にはどこかホッとするものがあり、前作の「エボリューション」のほうがかなりハチャメチでスケールも相当大きかったのに比べて、規模は小さいけれどコンパクトにまとめられていて安心してゆったり見れる映画でした。

正直もうちょいスペクタクルシーンとかガツンとあったほうが楽しめたんだろうけど(アメリカではあんまりヒットしなかったみたいで、続編とかもなさそうだし)、アイヴァン・ライトマンが健在だったことを確認できただけでも良かったかなと。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

善き人のためのソナタ

独映画

監督:フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク

出演:ウルリッヒ・ミューエ マルティナ・ゲテック セバスチャン・コッホ ウルリッヒ・トゥクール

1984年、東西冷戦下の東ドイツが舞台。当時の東ドイツでは国家保安省(「シュタージ」というらしい)が国民の行動・思想を厳重に取り締まり、国民も多数の人が隣人をシュタージへ密告しあう、暗い時代だったそうで、そんな状況を背景にしたドイツの社会派映画。

主人公はそのシュタージの情報収集のベテラン将校で、上官に命じられて反体制思想を持つ疑いのある劇作家の家を盗聴することとなる。最初はガチガチの体制側で容疑者たちを震えあがらせるほどの情報収集のプロだった彼が、劇作家そしてその恋人である女優を四六時中監視していくうちに、感情に変化が生じ…というような内容。

長い名前の監督さんも、東ドイツ出身らしい俳優さんたちも全然知らなかったけど、抑圧された状況下で、感情表現も最小限ながらもそれぞれに変化していく監視者、劇作家、女優の姿をハデな演出は一切用いず、淡々と、でも恐ろしく、また細やかに描かれていく。

主要キャストそれぞれが上手くそれぞれの役の苦悩や悩みを静かに演じあげている。特に中盤、「レーニンは部下にベートーベンのなんとかいうソナタを聞くのを禁じた。それを本気で聞いた人間は悪人にはなれないから」みたいなセリフの後に劇作家が弾くピアノの曲(「善き人のためのソナタ」)を盗聴器越しに聞いた将校が静かに涙を流すシーンはさすがで、そこから姿勢が変わってくる将校の姿が真にせまってくる。

クライマックスからラストにかけての展開はサスペンス、衝撃、感動が待っており、ほとんど予備知識なしで見て、かなり得した気分にしてくれるいい映画でした。

| | コメント (0) | トラックバック (3)

ドリームガールズ

米映画

監督:ビル・コンドン

出演:ジェイミー・フォックス ビヨンセ・ノウルズ エディ・マーフィー ダニー・グローバー ジェニファー・ハドソン

3人組の黒人女性ボーカルグループ「ドリームズ」の下積みからサクセスストーリーと確執を描く豪華なミュージカル映画。

アカデミー俳優ジェイミー・フォックスが彼女たちをスターに育て上げるマネージャーを演じ、ビヨンセがグループのメインボーカルでダイアナ・ロスをモデルにしたスターになる女性、そしてエディー・マーフィーがジェームス・ブラウンをモデルにしたみたいなスター歌手を演じている。

予告編を見ていても、全編ビヨンセの歌で押しまくる映画なのかなと思っていたら、最初のドリームズのメインボーカルでルックスの関係なんかでビヨンセにメインを譲ることになるメンバーを演じるジェニファー・ハドソンが圧巻の迫力と上手さでビックリ!菊池凛子には悪いけど、アカデミーの助演女優賞もこの人で決まりじゃないかなと思うぐらいの存在感。

もちろんビヨンセの歌もよく、加えてエディー・マーフィーの上手さにもビックリ。出すぎないまでもしっかり存在感と悲哀を表現していてこっちにもアカデミー賞(助演女優)あげたいぐらい。

ステージ・シーンだけ歌であとは普通のドラマかと思っていたら、日常会話中も歌いだす完全なミュージカルだったけど、R&Bでまとめあげられたソウルフルなミュージカルはシカゴなんかよりもシッカリした満足感があり、ビヨンセを中心としたファッションなんかもメチャメチャよくて思ったよりも楽しめました。

歌は歌わないけど、ダニー・グローバーも久々にいい味出していてよかったです。

| | トラックバック (1)

DOA デッド・オア・アライブ

米映画

監督:コーリー・ユン

出演:デヴォン・青木 ジェイミー・プレスリー ホリー・バランス ケイン・コスギ エリック・ロバーツ

たぶん「Xボックス」かなんかのゲームの映画化だと思うけど、格闘家(なぜか女性ばっかり)が謎の島に集められて、トーナメント形式で腕を競うアクション映画。

なんとなく見にいってしまったんだけど、ここまでヒドいとは…。

美女といいつつ、三流のキャパクラ嬢みたいのがギャーギャー騒ぐばっかりの脱力系映画で、90分弱の上映時間が長くて長くて…超苦痛でした。

しばらく今年ワースト1は動かないんじゃないかなと。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

ジョジョの奇妙な冒険 ファントム・ブラッド

日本映画(アニメ)

監督:羽山淳一

出演(声):小西克幸 緑川光 水樹奈々 小山力也 井戸田潤 小沢一敬

週間少年ジャンプに連載されていた「ジョジョ」の第一部ジョナサン・ジョースター編が満を持してというか、何故か今ごろ劇場用アニメとして映画化された。原作者の荒木飛呂彦のデビュー25周年、ジョジョ連載20周年記念的に作られたらしい。

実はジョジョはジャンプ連載時からハマりまくっており、現在の「スティール・ボール・ラン」まで単行本は全部もっているぐらい好きで、特にスタンドで出る前の波紋の初期のころが一番よったと感じていただけに、今回の映画化のニュースには興奮したれけど、なるべく期待しないようにして見に行きました。

これが最悪…

ディオじゃないけれど、まず画力が「貧弱、貧弱ゥ~」で、ちょっとキャラが小さくなるとだれだか分からなくなるし、アクションシーンとかゾンビの描き方とかとにかく脱力させられるばかり。美術(背景)も水溜りだかシミだか分からないレベルの低さで…。

物語構成やセリフも原作の魅力をことごとくそぎ落として、あらすじだけをブツブツ区切りながらなぞるだけで、最後まで見てるのが辛かった。

だれかもっとマニアックな人に(資金を使って)もう一回作り直してくれないでしょうか?

| | コメント (0) | トラックバック (4)

世界最速のインディアン

ニュージーランド・米合作

監督:ロジャー・ドナルドソン

出演:アンソニー・ホプキンス ダイアン・ラッド アーロン・マーフィー クリス・ウィリアムズ

「インディアン」というのはネイティブ・アメリカンのことではなくて、主人公が乗るバイク「インディアン・スカウト」のこと。

1962年に1920年製のこのバイクを改造し、世界最速記録(1000cc以下のバイク部門)を樹立した実在のニュージーランド人バート・モンローっていう人のお話を映画にしたもので、この人が年金暮らしの63歳だったっていうこともドラマになっている。(その後も自身で記録更新をし、今でも彼の記録は超えられていないそうです)

この実在の人物を演じるのは名優アンソニー・ホプキンスで、年をとっても純粋に夢にかける老人をこれまでになく生き生きと爽やかに演じている。

コツコツと貯めた資金でニュージーランドからレース会場であるアメリカ・ユタ州の塩平原まで旅をしながらいろんな人とのふれあいを描いていく姿は、デビッド・リンチの「ストレイト・ストーリー」にも似ていて、その出会いひとつひとつがあったかくて、アンソニー・ホプキンス演じるバートの人柄がジンワリ伝わってきて、しあわせな気分になれる。

スポーツ(レース)ものというよりも、ロードムービーとしてかなり質の高い作品になっている。

そして後半、いよいよレース会場に着くものの、登録の不備やらマシンの整備やらいろいろありながらようやくレースに臨み、平原を疾走していく姿はなんともカッコよくて感動的。

監督のロジャー・ドナルドソンは「13デイズ」とか「リクルート」とかハリウッドの商業映画の印象が強かったけど、実はニュージーランドで映像作家としての活動を始め、1971年には実際のバート・モンローのドキュメンタリー映画を作っていて、その頃からこの作品の構想を練っていたというだけあって、ハデな大作とは一線を画す、バートの人柄が画面全体から伝わる素朴で爽やかないい映画でした。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

守護神

米映画

監督:アンドリュー・デイビス

出演:ケビン・コスナー アシュトン・カッチャー

「海猿」は映画もテレビドラマも(もちろん漫画も)見たことないけど、たぶんアメリカ版「海猿」的な映画で、沿岸警備隊のレスキュー隊員の活躍と、その養成学校での若者の成長を描いた映画。

ケビン・コスナー扮する沿岸警備隊の伝説的なレスキュー隊員が、救命活動中の事故で同僚を亡くしてしまい、その傷を癒す意味でも一時的に養成学校の教官を命ぜられる。そこでアシュトン・カッチャー扮する生意気な訓練生たちをビシビシ鍛えていくっていうお話。

アンドリュー・デイビス監督は「逃亡者」ではヒットを飛ばしたものの、その後はあんまりパッとしない印象だったし、ケビン・コスナーも最近はあんまりパッとしない感じだったけど、今回の作品はまあまあ楽しめました。

いかにもCGって感じのスペクタクルシーンにはあんまり感じるモンはないけど、出だしのレスキューシーンとかもなかなか良かったし、訓練シーンもCGとか使わずリアルで良かったし、沿岸警備隊ってのが軍隊組織だってのが初めて分かる等、ディテールとかもしっかりしててけっこう感心したけれど、ぶっちゃけストーリが単調で、ちょっと盛り上がりに欠けているような…。ラストにかけての展開はなんかドタバタって感じだし…。

でも総合的には久々に渋くてカッコいいケビン・コスナーが見れる点はよかったです。(アシュトン・カッチャーってのは印象が薄くてビミョウだったけど)

| | トラックバック (1)

バブルへGO!! タイムマシンはドラム式

日本映画

監督:馬場康夫

出演:阿部寛 広末涼子 薬師丸ひろ子 吹石一恵 劇団ひとり 伊武雅刀

巨額の債務を抱えて、経済破綻は間違いない日本を救うために、バブル崩壊を食い止めるために1990年にタイムスリップするというドタバタコメディ。

バブル時代に「私をスキーに連れてって」とか「彼女が水着に着替えたら」といった、トレンディで消費意欲をくすぐる映画を製作したホイチョイプロが久々に映画を手がけて、バブルに浮かれまくる日本(東京)をリアルにノリノリに再現している。

あんまり映画として云々いう内容でもないけれど、面白さだけを追求した内容はリッパで、ストーリーもそれなりにあって飽きずに楽しめました。ストーリーよりも飯島直子とか八木昭子とかがメイクで当時そっくりで出てくるほうが面白かったけど。

カメオ出演ではない主要キャストでは、映画をひっぱる広末涼子がスクール水着から芸者姿、エロダンスなどとけっこうハジケちゃっててよかったです。

あと最近はメチャメチャ映画に出ている薬師丸ひろ子もフケ役と昔メイクの両方楽しめて、ふっきれている感じがすごくよかった。

バブル経済とは何だったのかとか考えてたら、あまり楽しめないので(というかそんな硬い話じゃないし)、とにかく頭カラッポにして、バブルノ雰囲気とかボティコンとかのファッションとかを楽しむだけでもいいんじゃないかという映画でした。(個人的には吹石一恵のすごいボティコン姿が見れただけでも得した気分でした)

| | コメント (0) | トラックバック (3)

魂萌え!

日本映画

監督:坂本順治

出演:風吹ジュン 三田佳子 寺尾聡 豊川悦司 常盤貴子 加藤治子

桐野夏生のベストセラー小説を坂本順治監督で映画化。坂本順治の作品は「どついたるねん」をはじめとして、男臭いイメージが強く、女性が主演の「顔」や「ぼくんち」でも硬派でたくましい主人公が印象的だったけど、今回はこれまでのイメージを覆すやわらかい映画になっている。

主人公は夫が定年を迎える平凡な熟年の主婦で、夫が心筋梗塞で急死した後に愛人と対面することになったり、遺産相続を強引に息子に迫られたりと、生活が一変する。そんして、ちょっとした試練や事件を乗り越え、経験しながら、少しずつたくましくなっていくというお話。

たぶん実年齢よりも少し上の主人公を演じる風吹ジュンがすごくいい!60歳になってプチ家出やら、情事やらと、ちょっとした冒険を重ねて、新たに人生を楽しもうとする女性を細やかに演じている。

その他のキャストも映画に溶け込んでいい味を出しているんだけど、中でも坂本映画の常連でもあるトヨエツがメチャメチャ情けない男を哀しくもコミカルに演じていて、とてもいい味を出している。出番はそんなに多くないけど、あれだけでも「愛ルケ」よりもよかったです。

60歳の女性、それも平凡な主婦を主人公にした映画はなかなかないと思うけど、貴重でありながらも、すごく大事なことを静かにジンワリと見せてくれる映画でした。

あと、cobaの音楽もなかなか良かったし。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2007年2月17日 (土)

幸せのちから

米映画

監督:ガブリエル・ムッチーノ

出演:ウィル・スミス ジェイデン・クリストファー・サイア・スミス タンディ・ニュートン

ウィル・スミスがどん底の貧乏生活から子供を抱えながら一流証券マンまでのぼりつめるサクセスストーリーを、実の息子を息子役に迎えて描く、見る前から分かる感動作。

最初から感動を押し付けるような作品はあんまり好きではないものの、実際見るとそんなに恩着せがましいところはなく、サクセスストーリーの部分よりもどん底で苦労する姿がなかなかグッとくる。(サクセスの部分をもうちょっと描いてもいいような気もするけど)

メチャクチャ厳しい競争の中、成功したウィル・スミスの影で落とされた人達もたくさんいるはずなんだけど、そのへんはあんまり気にならない感動作でした。

| | トラックバック (1)

どろろ

日本映画

監督:塩田明彦

出演:妻夫木聡 柴咲コウ 中井貴一 原田芳雄 土屋アンナ 瑛太 原田美枝子

手塚治虫の怪奇時代劇漫画を実写映画化。ニュージーランドロケにワイアーアクション(「HERO」とかのアクション監督)、そしてVFXたっぷりの娯楽大作になっている。

監督は「黄泉がえり」の塩田明彦監督で、その流れからいくとあんまり違和感はないけど、宮崎あおい主演(中学生ぐらいのとき)の「害虫」の印象のほうが強く残っており(「黄泉がえり」やった時点でも意外だったのに)、まったく違うジャンルで、逆にかなり新鮮でした。(「害虫」の衝撃度にくらべると、かなりベタになっちゃってるけど)

お話は、架空の戦国時代、中井貴一扮する戦国武将が天下を取るために魔物と取引をした。その取引とはその武将の子供の体48ヶ所を魔物たち(48体)に差し出すというもので、48ヶ所をとられて捨てられた赤ん坊は呪医師に拾われ、怪しい技術で作られた体を与えられ、腕に魔物退治用の刀を仕込まれ、成長し、その体を取り戻すために魔物たちを倒す旅に出るというもの。

その主人公・百鬼丸に扮する妻夫木聡は、なんか顔立ちが手塚治虫漫画にあっていて、アクションもけっこうがんばっている他、目もみえず耳も聞こえない百鬼丸(心で全部感じるらしい)の淋しい感じがででいて、なかなか良かった。

百鬼丸と出会い一緒に旅をするどろろ役の柴咲コウもどろぼうの少年(?)役がなかなか新鮮でした。

でも一番目を引くのは、怪しい武士の奥方役の土屋アンナで、出番は少ないけど、おそろしい魔物役がメチャメチャ印象的で、ハマってました。

ちょっと魔物たちがちゃちいのと、後半の展開がバタバタなのとで、若干の物足りなさも感じないではないけど、これなら続編も見たいかなと。(あと体は24ヶ所残ってるらしいので)

| | コメント (0) | トラックバック (3)

« 2007年1月 | トップページ | 2007年3月 »